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設計:内田祥哉 竣工:1993年

スケルトンインフィルを実践した建築として、建築士試験にも出題されるほど、計画学的にも歴史価値のある作品。

実際に訪れてみると、大小様々なデザインに思わず立ち止まって見入ってしまうほど、よく作り込まれた建築である。

スケルトンインフィルであることを外観として表現するためか、各住戸の外壁が、梁の途中まで貼り伸ばされており、構造体の中から住宅が生まれ出たような印象を与えている。またそれに呼応するように、青々とした蔦が階層を縦断しながらが生い茂る。

中庭に面した各住戸の外壁は、それぞれの居住者の趣向が反映されたのか、左官、サイディング、RCと多様な表情を見せ、立体的な生活の風景をつくっている。階段、手すり、竪樋のブラケットなどオリジナル部材が織り混ぜられることで、いわゆる住宅にありがちな消費的なイメージを一切感じさせない。

統一するわけでもなく、過度にそれぞれが着飾るわけでもない。生身の生活が集合したような空間は、複数の意思決定者(施主、設計者)が、まるで集落をつくるように、互いのわずかな差を楽しむ心によって出来ているのではないかと感る。